スター社員の紹介 旅客スタッフ

ある日、1人の少女がオーストラリア行きの便のチェックインのため、カウンターに来たことがある。彼女はボーイフレンドがいるオーストラリアに行ったことが今までなかったのだが、ジェットスターを見つけたことで会いに行くことができたという。そう話していた時の、少女の本当にうれしそうな表情が、今でも目に焼き付いている。ジェットスターなら、たとえ長距離であっても、会いに行くのは簡単。彼女とはすでにカウンターで2回遭遇した。

数日前には、オーストラリアに留学する孫に会いに行く老夫婦にも出会った。離れ離れになって寂しかったが、ジェットスターで会いに行く老夫婦はとても幸せそうで、時々ジェットスターを利用して会いに行っているという。また、1ヶ月ほど前に出会った老夫婦は、以前は高速鉄道で旅をしていたが片道でも高いのだとカウンターに尋ねて来た時、その時は飛ばないけれども別の行き先もいろいろあり、ジェットスターの運賃を説明するとすごくうれしそうな表情をした。詳しく聞くと、妻が病気で、以前は仕事で各地を飛び回る忙しさだったが、今はその妻とすてきな思い出を作りたいと話していた。

乗客それぞれに、たくさんの旅のストーリーと夢があって、自分はその「架け橋」となっているのだと日々実感する。そんな仕事にとても誇りを持っている。

“チーム”で一体となる業務、新人訓練も担当

Customer Service Officer（CSO）としての業務内容は多岐にわたる。ジェットスターのカウンターで国内線と国際線のチェックイン、搭乗ゲートでのチェックイン、サービスデスク、バゲージクレームのチェックなど幅広い。勤務は朝4時から夜10時半までのシフト制で、毎月の休みのうち2日分を自分で申告でき、月3回シフトチェンジがある。CSOのスタッフは全員で55名、3つのチームに分かれている。

チームは月ごとに違い、メンバー同士での理解ができてこそ初めて“チーム”になれると考えている。もし問題が起きたら、チームで経験をまずシェアし、上司であるマネージャーに逐一報告し、さらにスタッフ全員で情報を共有する。

さらにOJT（オン・ザ・ジョブ・トレーニング）の訓練も、上司の推薦があって担当している。訓練では、新人2名を、それぞれ15日ずつ担当。1人は男性整備士、もう1人は20歳以下のCSOインターンだ。2人の性格はまったく異なり、チェックイン業務を担当しても、かたやまったく笑顔がないと思えば、もう1人はとてもフレンドリー。また、仕事を覚えるのが早い一方、なかなか覚えてくれなかったことも。それぞれを訓練する際、教え方もまったく違って戸惑うこともあるが、自分自身にとって貴重な機会、これを与えてくれた上司にはとても感謝している。

乗客のニーズが最優先、トラブル時ほど笑顔が大事

空港でのカウンター業務は、ピーク時は特に慌ただしい。国際線のフライトが何便も重なった時、チェックインの締め切り時間が終わった後も、保安検査場が混雑して搭乗に間に合わない恐れがあることがわかった時は大変だ。一度にたくさんの仕事をこなさないといけないし、保安検査場から電話がひっきりなしに鳴り続け、スタッフ1人あたりの仕事量は必然的に多くなる。

飛行機が無事出発していくのを見ると、いつも本当に安堵する。仕事をやり切った達成感、克服したという実感が沸いてくる瞬間だ。

また、空港でシステムエラーが起きたことがある。10分間、システムがほぼ全停止し、カウンターには1,000人以上の乗客が並んでスタッフは皆パニックになった。長蛇の列となった乗客の苛立ちが伝わってくる。「あの時ほど『スマイル』が必要だと思ったことはありません。とにかく怒っているお客様に対しても、いくら泣きたくなる状況であっても、乗客のニーズが最優先です。現場で気づいたことはすぐに書き留めています」